「茶ノ木の根元に合成洗剤を撒けば、ミミズがいなくなるかもしれないと思いましたが、冬なので効果があるかどうか疑問でした。」

「冬だとミミズが地中深くにいるということですか」と町会長。

「そういう傾向はあると思いますが、表層にいないので効果に疑問を感じました。茶ノ木の裏は10センチ強掘っている穴が多いので、そのくらいの深さにいると推定しています。イノシシは、10センチぐらいの深さになるとミミズの臭いを探知することが難しいのかも知れません。暖かいときに泥浴びするのは、目印を作っておくという目的もあるようです。」

「なるほど。その仮説が正しければ、他の場所にミミズがいても、冬になると目印をつけていないところのミミズは食べられないことになりますね」と町会長。

「おっしゃる通りです。目印をつけた周りを注意深く嗅げば、冬場でも鼻で浅いところにミミズを探知することが可能なのでしょう。」

「夏場では無視したような、かすかなミミズの臭いを探知して穴を掘ると、ミミズの臭いがさらに強くなって、何匹もいるのが分かるということでしょうか」と町会長。

「イノシシに聞いたわけではないので単なる推測にすぎませんが、そのように考えています。ハイゴケが荒らされていないので、LEDライトの効果があるのは明らかですから、ミミズを探知したらライトを見ないようにしてミミズを捕まえていたのでしょう。」

「しかし、現実にLEDライトが利かないとなると、ミミズを退治するぐらいしか方法はないのでしょうか」と町会長。

「忌避剤を使うということも考えたのですが、1週間前に茶ノ木の内側には忌避剤を地面に直接まいています。」

「茶ノ木の内側と外側の間は数十センチしかありませんよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。LEDライトが照らし、狼の声も聞こえるのですが、茶ノ木の裏なので家側からは見えないという安心感があるのだと思います。」

「なるほど。茶ノ木の裏に隠れているという安心感に腹ペコモードとミミズの臭いが加わると、LEDライトと狼の声と忌避剤が近くに撒いてあっても、ミミズを食べるということですか」と町会長。

「3引く3で効果がなくなるのかも知れません。忌避剤を茶ノ木の向こう側に直接撒けば、3日くらいは来なくなると思いました。」

「それでは、忌避剤を撒いたのですか」と町会長。

「茶ノ木の向こう側は掘られたところを整地しましたが、忌避剤は撒きませんでした。」

「他に方法があるのですか」と町会長。

2019/12/18

<イノシシ後記2>
1番下のうり坊がバックで進む方法を父イノシシに教えに行った頃、茶ノ木の裏でうり坊が3匹おしゃべりをしているのを聞いた記憶がある。その時、自慢そうに話しているのが1番下のうり坊に違いないと思った。

その頃は、なぜ、1番下のうり坊が父イノシシのところに出かけたのか分からなかった。今なら分かるが、1番下のうり坊が母イノシシと一緒に行かないで残ったのも、父イノシシのところにバックで進む方法を教えに行ったのも、1番下のうり坊が雌だったからだ。

9月の初めに正門から入って来た2匹のイノシシは、茶ノ木の裏で1番下のうり坊と茶ノ木の裏で話をしていたうり坊だ。1番下のうり坊より1歳年長だと推定される。そして雌だ。

雌のうり坊は、授乳期が終ると父イノシシと行動を共にすると推定している。イノシシは近親交配が基本なのだ。

雄のイノシシの平均寿命が6年で、イノシシの基本的な行動パターンが線的行動ということになると、絶滅を避けるためには近親交配を基本とするしかないように思われる。島民の数よりイノシシの数の方が多いと言われる佐賀県の加唐島の場合も、近親交配が基本だからそういうことが起ると推定される。イノシシは本土から3キロ泳いで加唐島に渡っている。加唐島のイノシシの多くが本土から来たと考えるより、加唐島のイノシシの多くは近親交配で生まれたと考える方が自然だ。

僕が住んでいる地域のイノシシは豚コレラで壊滅状態になってしまっている。我が家を襲撃したイノシシ一家は、他のイノシシと交流がなかったようだ。その結果、裏の栗林に来るのは母イノシシが1匹と雄のイノシシが1匹、雌のイノシシが2匹、合計4匹だと推定している。数えたわけではないが、ミミズを食べるときの地面の荒らされ具合から成長したイノシシが4匹ぐらいいると推定している。来年うり坊が目撃されたり、数年後にイノシシが徘徊するのが頻繁に見られるようになると、イノシシは近親交配が基本なのだということが証明されたことになる。

※母イノシシは、甲斐性がある他の雄イノシシを捜しに出かけたのではなく、父イノシシが作った他の泥浴び場に行っていたと推定される。

2022/10/24